ふと考えた。支配しようとする気持ちは自分が支配されるかもしれないという恐怖から生じていることが得てして多いのではないか。支配される前に支配してしまえというわけだ。多くを支配した歴史上の人物は皆その恐れを人一倍強く持ちそれを克服するため必要以上に支配力を拡大して全てを手に入れようとした人達なのかもしれない。そして待ってましたとばかり支配星の術中にはまり破滅へと転がり落ちていく。
日本人がここまで地に落ちた時代はかつてなかっただろう。日本中の女性がセレブな生活を夢見、男は大金をつかんで好き勝手なことをして生活することばかりを考えているかのようだ。それが現実にかなわぬ者は身近なものを支配しようとする。虐待にしろ幼児のを狙った犯罪にしろ絶えないのはそのせいだ。そしてどこにも行き場のなくなってしまった者たちはひきこもり自分の世界に閉じこもる。あらゆるものを手に入れていったいその先に何があるというのだ。死んだら逆の世界が待っている。金持ちが天国に行くのはラクダが針の穴を通るより難しいのだ。
支配されないという気持ち。それさえ強く持っていれば支配されることはないのだ。たとえ表向きは支配されたかのように見えても心まで支配することはできない。先行きの不安から鬱になる人が増えているという。どんなに考えても先が見えず同じ考えの堂々巡りになってしまうのだろう。不安に支配されてもつまらない。今は先の見えない不安な時代だ。逆に見えてる方が不思議だ。支配に対して支配で対抗するのはバカげてる。結局は同じことだ。現代社会で横行しているマネーゲーム、パワーゲームと同じでそれらに支配されてしまっているのだ。歴史は繰り返してきた。これからも同じことを繰り返す希望のない未来なのか、それとも違った新しい時代になるのか。支配に対しては支配されないという対抗方法もあるに違いない。誰かが同じようなことを言ったかもしれない。見かけは弱くても人間の意識がものをいうのだから一人一人が強く思えば大きな力となってきっと新しい未来が実現する。苦しい今このときこそが一人一人の意志が試されているのだ...。